原野商法にも大きく関連する錯誤の無効
原野商法は無価値な負動産を顧客に売りつける悪徳商法で、詐欺の一種に含まれます。
本来、原野商法を行う悪徳業者は、対象となる土地が無価値であることを知ったうえで消費者に売りつけます。
そのため、原野商法の被害における裁判では、訴えた側が意図せずだまされたのかがポイントになります。
本記事では、原野商法にも大きく関連する「錯誤の無効」について解説します。
「錯誤の無効」とは?
「錯誤」とは勘違いを意味する単語であり、自分の意思とは関係がないところでの意思決定の意味合いになります。
身近なところでいうと、10,000円で売りたかったものを誤って1,000円と伝えてしまうことも錯誤に該当します。
これは売り主の勝手な勘違いによるミスであり、個人間の場合は話し合いで解決することができます。
錯誤についての理解を深めるためには、原野商法を含む「詐欺」についても理解しておきましょう。
錯誤は勝手な勘違いをした場合であり、詐欺は相手にだまされて勘違いした場合といった点が異なります。
簡単にいうと、錯誤は意図せずだましてしまったことをいい、詐欺は意図してだましたことだといえます。
法律や裁判においてはこの錯誤と詐欺は判決を左右する重要な要素であり、論争となることが多いのです。
民法において錯誤の無効は、下記のように定められています。
意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
1. 意思表示に対応する意思を欠く錯誤
2. 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤
参考ページ:法務省ホームページ「第九十五条(錯誤)」
(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089)
錯誤の無効と認められる事例
下記のような状況では、錯誤の無効が認められることがあります。
被害者が高齢により正常な判断ができず、内容をあまり理解できていないとき
相続人に対してメリットがあるような提案をして、原野商法や二次被害を引き起こしたとき
詐欺行為
このように、被害者にデメリットを理解しにくい説明をしたり、だましたりして金品を搾取した際に錯誤の無効が認められます。
原野商法についても同様であり、提案している土地に価値がある、今後価値が増幅するといったうたい文句で消費者に近寄ります。
しかし、実際にはそのような事実はなく、消費者は無価値な負動産をつかまされることにより被害が発生します。
裁判の際にはこれらのやり取りに関しても聴取が行われ、錯誤の無効が認められるケースもあります。
ただし、錯誤に関する意思表示を示した表意者に重大な過失があった場合は、錯誤の無効が認められません。
錯誤の無効が認められなかったときは早急に処分を依頼しよう
錯誤の無効が認められず、引き続き無価値な負動産を所有し続けなければならない場合は早急に処分しましょう。
負動産とはいえ土地には変わりないため、所有し続けることで固定資産税や管理費などのランニングコストが発生します。
負動産処分業者に相談することで、一定のまとまった費用は必要ではありますが、以降はランニングコストの発生を抑えられます。
おわりに
本記事では、原野商法にも大きな影響を及ぼす錯誤の無効について解説しました。
錯誤は勝手な勘違いをした場合であり、詐欺は相手にだまされて勘違いした場合といった点が違います。
そのため、裁判の際には相手にだまされたのか、勝手に自分が間違って解釈したのかがポイントになります。
前提として、錯誤が発生しないように怪しい勧誘を受けたらきっぱりと断るか、不明点を徹底的に質問してみましょう。
この記事を書いた人
リゾート・バンク コラム部
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