原野商法などで取得した負動産は時効取得
不動産のなかには、特定の条件を満たすことで自分の所有物件が他人に移ることがあります。
他人の財産を自分のものと思って使用してしまったときなど、対象となるケースはさまざまです。
不動産の場合は、他人名義の不動産に自分の所有物と信じ込んで住み続けたときなどが挙げられ、これらを「時効取得」と呼びます。
本記事では、原野商法などで取得した負動産に時効取得は適用されるのかについてご説明します。
「時効取得」とは?
時効取得とは、民法第 162条に定められている、ほかの人の所有物を自分のものとして取得することを指します。
不動産において自分に所有権がある家屋であろうと、特定の条件を満たして一定期間住み続けると、その建物の所有権を取得されることがあります。
この一定期間には10年と20年がありますので、それぞれ見ていきましょう。
時効取得要件「20年間」
20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
時効取得要件「10年間」
10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。
参考ページ:法務省ホームページ「民法 | e-Gov法令検索」
(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089)
時効取得要件の内容について
時効取得要件として、「所有の意思」「平穏に、かつ、公然」「善意であり、かつ、過失がなかった」などが挙げられましたが、それぞれどういった意味を持つのでしょうか。
「所有の意思」とは、自分が所有者であるという意思です。
賃貸借契約を結んで物件を借りる所謂「賃貸物件」は、「他人の所有物を借りている」ことから、あくまで占有理由は「賃借」となるため、所有の意思とは認められることはありません。
「平穏に、かつ、公然」とは、暴行や恐喝などの違法行為がなく、また隠し事がない状態のことを指します。
他人を脅したり、陥れたりして占有した物件の所有権は移らないということになります。
最後に「善意であり、かつ、過失がなかった」についてですが、自分の所有物であることに疑いがなく、そう信じている状態であることと言えます。
本来あってはなりませんが、第三者が書類を偽造していたことに気付かず購入してしまった場合は、「この物件は自分で購入したものであり、自分の所有物だ」と、購入者は信じて疑わないでしょう。
このような場合に時効取得が認められることがあるのです。
負動産は早めに業者に依頼して処分しよう
かつては価値があった不動産も年月の経過とともに徐々に価値が下がることがあります。
価値がない不動産は「負動産」と呼ばれ、売却先が見つからないだけではなく、固定資産税などを支払い続けなければなりません。
そのような負動産は、処分業者に依頼して早期に処分しておくことをおすすめします。
負動産処分業者に依頼する際は処分代を含む初期費用が必要ですが、以降ランニングコストの発生を抑えることができます。
近年では相続などによって負動産を取得する方が多くいらっしゃるため、生活費を圧迫する重要な課題となっています。
生活を安定させるため、負動産を所有している方は処分を依頼しましょう。
おわりに
本記事では、原野商法などで取得した負動産は時効取得ができるのかについてご説明しました。
時効取得は10年から20年間、特定の条件下で占有していた方に所有権が移るものです。
時効取得以外にも、負動産の場合は無駄なランニングコストが発生してしまう要因となるため注意しなければいけません。
負動産の処分はなるべく早く専門の業者に相談するようにしましょう。
この記事を書いた人
リゾート・バンク コラム部
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