原野商法の土地|スキーなどで人気のニセコ
原野商法の対象となる土地は、ほとんどの場合人が立ち入らないような山奥になります。
そのような土地を「これから開発が進むから高値で売れる」といった謳い文句で詐欺を行う、悪徳業者がいます。
しかし、なかには高級リゾート地など、多くの人々が集まるような場所が対象となることがあります。
本記事では、原野商法の対象となることがある、スキーなどで人気のニセコについてご説明します。
ニセコはどんな場所?
ニセコとは、札幌・千歳空港から車で2時間程度の場所にある、北海道虻田郡のレジャーエリアです。
ウィンタースポーツを楽しめるニセコは岩内町、共和町、倶知安町、ニセコ町、蘭越町からなる山岳地帯の総称を指します。
日本国内では以前から人気のスポットでしたが、近年では外国人観光客や海外移住者が増加傾向にあります。
冬になると極上のパウダースノーが降り積もるため、スキーやスノーボードを楽しむ方が集まる場所です。
標高1,308mにあり、多くのスキー場で構成されているほか、広大な土地と豊かな自然を生かした食事も楽しめます。
上記のような性質から、ニセコには日本人だけではなく海外からの移住者も集まるため、異国情緒が漂います。
ニセコが原野商法の対象となった背景
このように、国内外問わず多くの観光客でにぎわうニセコですが、実は原野商法の対象となることがあります。
ニセコが原野商法の対象となった背景には、1970年ごろに全国紙の新聞に物件の紹介が記載されていたことだといわれています。
こちらの新聞には別荘としての販売ではなく、投資性を全面に打ち出していたという特徴があります。
そのころのニセコはまだ今ほど人気のレジャースポットではなく、まだ北海道の一部という認識でした。
このような不動産広告に対して、公正取引委員会が事実とは異なる虚偽として、操作のメスを入れたのです。
その結果、この広告主が売り出していた土地に価値がないことが全国の読者に知れ渡る結果となりました。
下記、今回の捜査で分かった事実の一例です。
ニセコと名乗っていた土地は、実はニセコ山麓から20km以上離れた土地だった
交通利便性が明らかに虚偽であった
販売価格の虚偽表示
給水減、送電線がないため、インフラが整っていない
平坦な土地と記載されていたが、実際は起伏が激しい傾斜地だった など
現在では1970年当時よりも広告表示が厳しくなっているため、このような負動産を販売する企業と被害者は少なくなりました。
ニセコが原野商法で販売された事例
ニセコが原野商法の対象地として使われた最も有名な事件は、「北日本投資株式会社」の事件ではないでしょうか。
先述した背景も北日本投資株式会社の事件を記載したものであり、下記のような謳い文句が記載されていました。
買い方でなく増やし方を研究してください。
大きく育つ有利な土地
大きく飛躍する北海道
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ニセコ以外にも、苫小牧などが対象地となっており、疑いを持った新聞読者が公正取引委員会に連絡をしたことで、事件が発覚。
結果は先述した通りで、北日本投資株式会社は1974年に解体しました。
残念ながら、購入してしまった方の多くはニセコや北海道以外に住んでいる方です。
遠方の土地であることから、確認に行かず地図上で判断したことが詐欺被害に遭ってしまった要因といえるでしょう。
おわりに
本記事では、原野商法として利用されることがある、ニセコについてご説明しました。
ニセコは札幌・千歳空港から車で2時間程度の場所にある、北海道虻田郡のレジャーエリアです。
スキーやスノーボードといったスポーツのほか、大自然の恵みをおいしくいただくことができる魅力があります。
しかし、ニセコから20kmほど離れた場所は整頓されておらず、原野商法の対象となってしまいました。
ニセコの土地を所有している方は、価値の有無を判断するために実際に見ておくことをおすすめします。
この記事を書いた人
リゾート・バンク コラム部
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