所有者不明の別荘地が近隣や政策への影響
別荘地のなかには今でも所有者が使用しているものもあれば、長年放置されているものもあります。
放置されている要因として、手入れはしているが利用頻度が少なかったり、所有者が不明だったりといったものが挙げられます。
特に、所有者が不明の別荘地は近隣や政策に与える影響は大きく、近年では深刻な社会問題となっています。
本記事では、所有者不明の別荘地が近隣や政策におよぼす影響について解説します。
別荘地が所有者不明になる原因
別荘地が所有者不明になる原因の多くは、不動産登記を行わなかったことが挙げられます。
不動産登記は不動産の所有者を明確に示すためのものであり、住宅だけではなく別荘地も対象になります。
本来、不動産を購入した際は国や自治体などが管理するために、必ず不動産登記を行わなければなりません。
しかし、土地を相続する際に名義変更を行わなかったり、住所変更の登記を行わなかったりする方がいらっしゃいます。
長期にわたって登記を行わなかった場合、土地の相続関係者がふえていき、所有者の特定や処分が困難になります。
法務省の調査によると、所有者が不明の土地の割合は全体の24%であることを発表しています。
参考ページ:法務省ホームページ「民法等一部改正法・相続土地国庫帰属法の概要」
(https://www.moj.go.jp/content/001401144.pdf)
このような事態を収束させるため、2024年4月に負動産の相続登記が義務化されました。
参考ページ:法務省ホームページ「相続登記が義務化されました(令和6年4月1日制度開始)」
(https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/page000275.html)
所有者不明の別荘地が近隣に与える影響
下記は、所有者不明の別荘地が近隣に与える影響の一例です。
景観を損ねる
敷地内の建物の倒壊
不法投棄
自然災害
自宅をはじめとする一般家庭は、所有者や近隣住民が快適に生活するため、定期的に手入れを行っています。
道路にはみ出た樹木を伐採したり、不法投棄を防ぐために監視カメラを設置したりといったことが対策になります。
しかし、山間部や海沿いといった、人が少ない場所に設けられている別荘地は管理が行き届いていない可能性が高いものです。
その結果、草木が生えっぱなしになって害虫が大量発生したり、腐食により建物が倒壊したりするリスクがあります。
所有者が判明している場合は連絡を取って対応をしてもらう必要がありますが、所有者不明の場合は連絡先がありません。
第三者が勝手に敷地内に入ることは不法侵入ととらえられる可能性があるため放置するしかないことから、悪循環に陥ってしまいます。
所有者不明の別荘地が行政に与える影響
行政の観点から所有者不明の別荘地が存在すると、税金に影響をおよぼします。
別荘地や負動産を含む不動産には、固定資産税や都市計画税といった、さまざまな税金が発生し、国民には支払いの義務があります。
国や自治体単位で見ると、納税できる土地が多くなるほどそのエリアは潤うことになり、地域活性化につながるのです。
一方、所有者が不明な場合は納税がされないことから、その分の税金を得られなくなります。
無理やり取り壊すこともできず、ただ所有者が現れるのを待つばかりになるため、多くのムダが発生します。
このように、所有者不明の別荘地は近隣住民や行政など、さまざまな方面に迷惑をかけてしまいます。
不要な土地に税金を払いたくないからといって相続登記を怠ると、後日まとめて支払いを命じられる可能性があります。
正当な理由なく申請を怠った場合、10万円以下の過料に処せられることになるため、必ず登記を行いましょう。
おわりに
本記事では、所有者不明の別荘地が近隣や政策におよぼす影響について解説しました。
別荘地が所有者不明になる原因の多くは、不動産登記を行わなかったことが挙げられます。
所有者不明の別荘地は近隣住民に対して景観を損ねる、敷地内の建物の倒壊、不法投棄、自然災害などの被害を与えます。
また、行政に対しては納税をしないことによる地域活性化の妨げとなります。
別荘地を相続する際は、必ず登記を行いましょう。
この記事を書いた人
リゾート・バンク コラム部
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